百貨店催事出店について思うこと

百貨店催事出店について思うこと

ブリティッシュ・プライドを設立した今年は久々に百貨店催事に積極的に関われるようになりました。今年9月の日本橋三越では予約制のアフタヌーンティーサロンの運営を担当。いろいろな方の協力でなんとか無事終えることができましたが、この経験は1日180食のアフタヌーンティーを提供するという自信がついただけではなく、想定していなかった新たな収穫がありました。

それは、予約制を取り入れたことで、杖をついた方や車椅子の方、赤ちゃん連れの方などにも英国展を楽しんでもらえたことです。「行列には並べないけど、これなら大丈夫」とうれしそうな表情を見ていると、やってよかった!と強く感じました。

これからの予定ですが、10月31日から始まる伊勢丹新宿店の英国展に出店し、11月には地方で開催される英国展でアフタヌーンティーを提供します。都市部の催事は売り上げが読めるのでさまざまな取り組みができますが、地方都市の催事では凝った企画はなかなかできません。また、出展する側も出張経費がかかるので出店をためらうこともあり、どうしてもスケールが小さくなりがちです。

しかし、イギリスが好きな方・興味がある方は都市部ばかりにいるわけではなく、むしろ地方都市のほうがゆったりとイギリスを楽しんでいらっしゃる方も多いのです。そんな人たちにイギリスを感じてもらいたい、本物を届けたい、そして催事全体を盛り上げるきっかけづくりができれば・・・。これが今回、地方出店を決めた理由です。

催事といえばもうひとつ思うことがあります。昨今はイートインのティールームに多くのお客様が来られて、長い行列ができます。イギリスから来てくれたティールームのオーナーやシェフたちは朝から夜まで厨房にこもり、1日に1000個以上もスコーンを焼くことがあります。この状況はイギリスファン、ティールームファンにはとても喜ばしいことですが、一方、厨房でティールームオーナーやシェフたちが日に日に疲弊していく様子を見ているとつい心配になってしまいます。

日本行きを楽しみにしていたのに、朝から夜まで厨房での作業ばかりだったら。日本に行った感想が「大変だった」「もう行きたくない」だったら。働きすぎて体調を崩してしまったら・・・イギリス側と交渉する機会が多い私としては、このような状況が起こらないように気を配る必要があるのではと感じています。

もちろんビジネスですので経費について慎重に考えていかないといけないのは当然なのですが、ブリティッシュ・プライドが関わるプロジェクトに関しては今後、無理しすぎることのない環境作りを意識しながら英国展に臨んでいくつもりです。

これは、日本に来てくれたゲストに滞在を楽しんでもらいたいというだけではなく、そうすることでその次のゲストへとつながっていくと考えるからです。そして、このことがイギリスファンに長く楽しんでもらえる催事作りにもつながっていくのではと願っています。

(代表:新宅久起)

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