『英国特集』から『RSVP』へ
『RSVP』が登場したのは2007年のこと。いきなりの誌名変更には、書店からも広告主からも読者からも戸惑いの声が相次ぎましたが、私にとっては「雑誌を継続する」のが目的ではなく、自分の閃きを行動にうつして試してみることの方が大切だったのです。
RSVPはフランス語で「お返事ください(Répondez s’il vous plaît)」の略で、パーティーの招待状などにこう書かれているとなんらかの返事を求められます。この言葉を雑誌のタイトルにしたのは、雑誌そのものが「招待状」になって、手に取ったことで何か行動を起こすきっかけになれば、と思ったからでした。ただRSVPの意味をご存知の方は当時は少数派で、よくVSOPなどと間違えられましたが……
また、細かいことですが、『英国特集』では「英国」と表記をしていたのを、『RSVP』では「イギリス」と基本ルールを変えました。これは、「イギリス」のほうがより親しみを持ってもらえるのではと思ったからです。このことからもおわかりのように、「英国ファンのための雑誌」から「英国ファンになってもらうための雑誌」へと編集スタンスを変えたのが、タイトル変更の大きな理由だったのです。